自己破産のデメリット
ここでは、自己破産をするとどのようなデメリットがあるかという点についてご紹介したいと思います。
自己破産のデメリット
■財産を手放さないといけない可能性がある
自己破産で免責を得れば自分の借金は全部なくなりますが、その代わり原則として自分の財産もすべて処分する必要があります。ただし、冷蔵庫や洗濯機などの生活必需品まで処分しなければいけないわけではありません。
また、現金や預貯金などの財産についても、自己破産される方の今後の生活の原資にするという観点から、一定の金額でしたら自己破産をしても所有し続けることができます。
■免責されないものもある
税金、国民年金保険料、国民健康保険料、罰金、科料、悪意をもって加えた不法行為による損害賠償などは免責されません。すでに滞納している税金がある場合は、役所の窓口にて、今後分割で支払う旨の交渉をしていただくとよいでしょう。
■資格制限をうける
自己破産の手続きを行っている数か月のあいだ「破産者」と呼ばれる立場となり、一定の資格について制限を受けることになります。 一定の資格とは例を挙げますと、保険の外交員、警備会社の警備員、宅地建物取扱主任者、弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、後見人などがあります。
しかし、免責決定が確定することで、破産者ではなくなり、これらの資格の制限が解除されることになります。
■管財事件になると制限を受ける
財産がたくさんある方、免責不許可事由に該当する方などは、管財事件になる可能性があります。
この場合は、自己破産をされる方宛の郵便物が管財人に送達されたり、転居や長期の旅行に裁判所の許可が必要であるなどの制限があります。
さらに、管財事件となることのデメリットとして、「管財費用」がかかるという点が挙げられます。管財費用は、個々人の状況により変動しますが、20万円以上となることが一般的ですので、その費用をご用意いただくということがご負担になる可能性があります。
ただ、個人の方が自己破産の手続きを行う場合は、大多数が同時廃止事件となり、管財事件となることはまれです。
■今後数年間新たに借金したりカードを作れない
自己破産を行うことで、個人信用情報機関に事故情報として登録される可能性が高く、今後数年間は新たな借金やクレジットカードを利用することはできないと思っていただく必要があります。
もっとも、入ってきた収入の範囲で支出をするというのが一番健全ですので、この点をデメリットと考えるべきではないと思います。
※最後に、自己破産を行うことのメリットも補足としてご紹介させていただきます。
自己破産のメリット
■すべての借金の支払い義務がなくなる
自己破産で免責を得れば、なんといってもすべての借金の支払い義務がなくなるのがメリットです。現在失業されている方や生活保護を受けている方、あるいは収入があっても借金の返済にまわせるお金がほとんどないという方は自己破産を検討されるべきかと思います。
2014.06.06
カテゴリ:自己破産について
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