自己破産は家族に影響があるか?
自己破産するうえでの心配ごとの1つは、家族への影響でしょう。
自己破産したことを家族に知られてしまうのか、家族の財産まで没収されてしまうのか、など家族への影響を心配する人は少なくないと思います。ここでは、自己破産の家族への影響についてみていきたいと思います。
家族への影響は?
自己破産をしても家族に悪い影響が及ぶことは通常ありません。
自己破産をした本人は、個人情報機関に事故情報(いわゆるブラックリスト)として登録されるので、住宅ローンを組んだり、クレジットカードを作成したり、カードを使用して買い物をしたり、といったことは今後数年間できなくなります。
しかし、その効果は自己破産をした本人に限定されますので、家族に影響が及ぶということは考えにくいかと思います。
家族の借金支払義務
家族だからという理由で、借金の支払義務が生じることは原則としてありません。
しかし、保証人や連帯保証人になってもらっている場合、その家族には支払義務が生じます。
原則 | ただし | |
本人 |
支払い義務あり |
債務が時効にかかっている場合、支払義務なし |
(連帯)保証人 | ||
配偶者 |
支払い義務なし |
保証や相続した場合、 支払義務あり (相続放棄は別) |
親・兄弟 | ||
子供 |
ご家族が保証人や連帯保証人になっているなどの事情がない限り、家族が借金の支払い義務を負うことはありませんのでご安心ください。
家族の財産も没収される?
自己破産すると最低限の生活必需品以外、没収されてしまいます。では、家族の財産まで取り上げられてしまうのでしょうか。
原則的に、自己破産の効果は申し立てをした本人に帰属しますので、家族の財産は処分されません。
ただし、家族名義のものであっても、実質的に本人の財産と判断されてしまうと、処分されてしまうこともあります。
家族に知られてしまうか
家族への影響とともに心配されることとして、自己破産したことを家族に知られてしまうのか、ということがあると思います。自己破産したことはたとえ家族だとしても知られたくないものです。
■家族と同居している場合
自宅に督促状や請求書が送られてくることもあるので、家族に知られてしまう可能性が高いと思われます。
また、自己破産する本人が手続きを進めていく場合、裁判所から郵送される必要書類が自宅に届きますので、家族の目にふれてしまいます。
一方、弁護士や司法書士に依頼して自己破産する場合には、書類等は事務所に届きますので、知られてしまう可能性は低いと思われます。
■家族が保証人・連帯保証人になっている場合
家族が保証人・連帯保証人になっている場合、その家族に支払い義務が生じ、借金の請求が及びますので、知られずに自己破産することは難しいでしょう。
■家族と別居している場合
同居している家族に隠し通すことは難しいですが、別居していれば郵便物などで知られることなく自己破産を進めていくことができます。 ただし、別居していても、保証人になってもらっている場合は、知られずに自己破産することは難しいでしょう。
自己破産の手続きの過程で、家族に協力してもらわなければいけない場面が多く出てきます。
たとえば、お仕事をされていて家計を任せていらっしゃる方であれば、現在の生活状況の情報が必要となってきますし、同居人の給与明細を裁判所に提出しなければならない場合もあります。
そのため、ご家族に知られることなく手続きを進めていくのは難しくなっていくと考えられます。 ですので、無理にご家族に隠そうとせずに、理解していただくことでスムーズにお手続きを進めていくことができます。
2014.07.02
カテゴリ:自己破産について
- 自己破産について (13)