自己破産と税金
自己破産をして免責許可の決定が確定すると、自己破産者は、原則として支払義務が免除されます。
では、税金も支払わなくてよくなるのでしょうか。国民年金の保険料は?
ここでは、自己破産と税金についてみていきましょう。
自己破産をすると
自己破産の手続きを経て、裁判所から免責決定がなされると、原則としてすべての支払い義務が免除されます。
しかし、自己破産をしても免責されない債権(非免責債権)というものがあります。(破産法253条1項1号~7号)非免責債権とは、自己破産をしても免責されない債権、つまり、支払い続けなければいけない債権のことです。
税金は非免責債権?
税金は非免責債権に含まれます。つまり、自己破産をしても、税金は支払わなければならないということです。 住民税や固有資産税、所得税などの税金の借金は、自己破産してもなくなりません。ですので、完済していかなければなりません。
しかし、多額で支払うことができないような場合もあると思います。そのような場合には、分割で無理なく支払っていけるようにしてもらうことができます。税務署の方と月々の金額を相談して、長期的に支払っていけるような計画をたててもらいましょう。
国民年金保険料・国民健康保険料の支払いは?
国民年金保険料、国民健康保険料も、上記の税金と同様に、自己破産をしても支払い義務が残ります。つまり、自己破産しても支払う必要があるということです。
しかし、保険料を納めることが経済的に難しい場合、どうすればよいのでしょうか。
そこで、「国民年金保険料免除制度」というものがあります。 「国民年金保険料免除制度」とは、所得が少なく本人・世帯主・配偶者の所得が一定額以下の場合や、失業した場合など、国民年金保険料を支払うことが難しい場合に、申請書を提出し、申請が認められると、保険料の納付が免除されるという制度です。
※ただし、自己破産をしたということ自体が、年金保険料免除の理由になるということではありませんのでご注意ください。
奨学金について
よく勘違いされていらっしゃることの1つとして、奨学金も税金などと同じで、支払義務が免れないのではないか、ということです。しかし、奨学金は税金とは異なり、他の債権同様に、返済義務が免除されます。 一方で、その支払請求は保証人にいくことになりますので、あらかじめ保証人に事情の説明を行っておくほうがよいでしょう。
自己破産の手続きを経て、裁判所から免責決定がなされると、原則としてすべての支払い義務が免除されます。
しかし、税金や国民年金保険料等の支払いは免れることができません。これについては、自己破産後も今まで通り支払っていく必要があります。ですので、そのことを考慮して毎月の生活費について計画をたててください。
支払免除されるか | |
通常の借金 |
○ |
税金 |
× |
国民年金保険料・国民健康保険料 | × |
奨学金 | ○ |
2014.08.25
カテゴリ:その他