家財道具を手放す必要はありません。

自己破産は自分の借金をすべて免除してもらう代わりに、自分の財産も全て債権者に分配しなくてはならないのが原則です。しかし生活の必需品である家財道具（冷蔵庫やタンス、食器、電子レンジ等）は、差し押さえが禁止されている財産であり、自己破産の手続を行っても手放す必要はありません。

また補足ですが、当面の生活費という意味合いで、現金についても99万までは手元に残すことが認められています。

自己破産をしても、選挙権、被選挙権がなくなることはありません。

選挙権、被選挙権は、憲法で保護されている大切な人権ですので、自己破産の手続を行ったことを理由として、その権利がなくなるというようなことは一切ありません。

載りません。

戸籍や住民票に記載されて、自己破産を行った事実が公になることはありませんので、ご安心下さい。

なお、市区町村役場に備え付けられている破産者名簿にお名前が掲載されることになりますが、こちらについては一般の方に公開されるものではありません。

原則として、自己破産をしたからといって賃貸の物件から出て行く必要はありません。

ただ、現在お住まいのアパート等の家賃を滞納している場合は、その滞納額についても債務として裁判所に申告する必要があり、アパートの大家さんにも債権者として自己破産手続きに参加してもらう必要があり、その結果現在お住まいのアパートから退去しないといけない可能性があるでしょう。

解約返戻金が高額になる場合、解約しないといけない可能性もあります。

自己破産をする場合に、生命保険の契約を続けられるかどうかは、申し立て時点の解約返戻金の額によって異なります。

解約返戻金がない掛け捨てタイプの生命保険でしたら、解約する必要はありません。

解約返戻金が設定されている積み立て式のタイプの場合は、解約返戻金の金額が20万円を超える場合は、自己破産の手続き上財産とみなされる可能性があります。生命保険の解約返戻金が20万円を超える場合は、解約しないといけない可能性があります。

まずは、ご自身が契約されている生命保険の証券を見て、解約返戻金があるかどうかをチェック、ある場合は保険会社にいま解約すると仮定した場合返戻金はいくら程度になるか、という点をご確認いただくとよいでしょう。

もしご自身で見ていただいてもよくわからないという場合は、当事務所の無料相談をご利用いただく際に、証券あるいは証券のコピーをお持ちいただければ拝見させていただきます。

残念ながら、マイホームを手放す必要があります。

自己破産の手続を行う場合は、自分の借金すべて免除してもらうかわりに、基本的に自分名義の財産を手放さなくてはなりません。

自己破産される方が、ご自身の名義でマイホームをお持ちの場合は、任意売却あるいは競売によって、マイホームを処分する必要があります。

自己破産を申し立てたら、次の日にでもマイホームから出て行かないといけないといったイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、引越しに必要な期間は考慮してもらうことができます。

とはいえ、物件探し、引越しには時間がかかりますので、マイホームを処分した後に入居する住宅については、早い段階でお探しいただくほうがよいでしょう。

どうしてもマイホームを残したい場合で、毎月ある程度経済的な余裕があるようでしたら個人版民事再生手続きを行うという方法も考えられます。個人版民事再生手続きをとると、消費者金融などの業者の借金の総額を圧縮させつつマイホームを守ることが出来ます。

なお、任意売却や競売についても、ご不明な点やご不安に感じられる点がございましたら、お気軽にご相談いただければと思います。

自己破産をする場合は、原則として車を手放す必要があります。

まず、車をローンで購入した場合で、まだローンが残っている場合は自己破産をすることにより、車は引き上げとなります。それは、業者は車を販売する際に所有権を留保したままにしているからです。（ローンをすべて払い終わると、車の所有権は買主に移ることになります）

次に、車をローンではなく一括で購入した場合は、車の価値がどれぐらいあるかがポイントとなります。年式の古い車などは売却したとしても、資産価値がないので手元に残すことが出来ます。これに対して、まだ新しい車で価値のある車は原則として処分の対象になります。価値がある、ないを判断する基準のひとつとしては、車の現在の資産価値が20万円を超えるかどうかという点があります。

ただ、地域によっては、車がないと、仕事に行けない、生活に大きな支障があるという場合もあります。そのような場合は裁判所に自由財産拡張の申立てを行い、それが認められると20万円以上価値のある車であっても手元に残すことができる可能性があります。

自己破産の手続きと、給与の差し押さえは基本的に関係ありません。

自己破産の申立てをして、破産手続き開始決定が下りれば、債権者は給与などの財産に対して差し押さえをすることができなくなります。なお、給料を差し押さえするためには、その前提として、まず債権者は訴訟を起こして勝訴しなくてはなりません。訴訟を起こしてから勝訴判決を得るには、何ヶ月も時間がかかります。ですので、破産手続き開始決定が下りるのと債権者が勝訴判決を得るのとどちらが早いかということが大きなポイントになってきます。

ほとんどのケースにおいては、自己破産の開始決定の方が早いので、早期に申立てを行えば給与を差し押さえを回避できる可能性があります。ただし、弁護士や司法書士に自己破産の相談をする前に、すでに訴訟を起こされていて、訴訟の手続もだいぶ進行しているような場合や、事前に公正証書を作成している場合は、給料の差し押さえ等の強制執行をかけられる危険性があるので、至急弁護士、司法書士に相談して対応してもらうことをお勧めいたします。

自己破産の手続を行うと、官報に名前が記載されます。

官報というのは、法律などの公布を行うことを主な役割とする新聞のようなものです。官報は、政府が毎日発行しており、図書館や大きな書店でないと扱っていません。

自己破産の手続をすると、名前と自己破産の申立てを行った旨が掲載されますが、官報を毎回購読している人はそうとう限られているため、官報に掲載されたために、周囲の方に自己破産をしたということが判明してしまうという心配はほとんどないかと思います。

会社からの借入れがない場合は、秘密で進めていくことも可能でしょう。

自己破産を行うことを、ことさら会社に打ち明ける必要はありません。

ただ、会社に自己破産を行うことが判明してしまうケースがいくつかあります。

１つめは、会社や会社に関連する組合などからお金を借りている場合です。その場合、会社や組合にも債権者として自己破産の手続きに参加してもらう必要があり、ご自身が自己破産をすることが判明してしまうことになります。

２つめは、資格制限を受けるお仕事をされている場合です。自己破産の申立てをして免責決定が出る前の数か月間、警備員や生命保険の外交員など一定のお仕事については制限を受けることになります。そのため、資格制限を受けるお仕事をされている方は、自己破産の手続き中に仕事内容をどうするかという点について会社と相談していただく必要があるかと思います。

３つめは、退職金に関する証明書を会社からもらう際に、根掘り葉掘り事情を聞かれる場合です。自己破産をされる方が、いまお勤めの会社に５年以上（大阪地裁の場合）続けて所属されている場合、仮にいま会社を退職した場合に退職金がいくら支給されるかを証明する書類を会社に発行してもらう必要があります。

従業員の数が多くない会社や、退職金額証明書の書式などがない会社の場合、どうしてそのような証明書が必要なのかを聞かれることがあります。自己破産の手続きに必要でるということを会社に伝えたくない場合は、住宅ローンを検討していて今後の参考のために必要、ですとか、すでに住宅ローンを組んでいる方は見直しのために必要、といった理由を伝えるとよいかもしれません。

連帯保証人の方に、残りの債務を支払うよう業者から請求が及ぶことになります。

自己破産の手続きにおいては、すべての債権者を裁判所に申告する必要があり、連帯保証人がついている業者についても同様です。

主債務者（お金を借りた人）が自己破産をすることになると、業者は残りの債務を回収するため、連帯保証人の方に請求をします。

もし、連帯保証人の方が、主債務者の方の残りの債務を支払うのが難しそうであれば、何らかの債務整理を行う必要があるでしょう。

いずれにせよ、ご自身が自己破産を行うことによって、連帯保証人の方に影響がでることは避けることができませんので、事前に連帯保証人の方にその旨の説明をしておかれるほうがよいかと思います。

自己破産をしても家族に悪い影響が及ぶことは通常ありません。

自己破産をされた方本人は、個人信用情報機関）に事故情報（いわゆるブラックリスト）として登録され、今後数年間は、住宅ローンなどのローンを組んだり、クレジットカードの作成やカードでの買い物はできません。しかし、その効果は自己破産をした方本人に限定されますので、ご家族に影響が及ぶということは考えにくいかと思います。

ただ、配偶者をはじめご家族の方名義で住宅ローン等を組まれる際に、金融機関から連帯保証人になってほしいと言われるケースがありますが、自己破産をされてから数年間は、連帯保証人となることも難しいかと思いますので、その点についてご注意いただく必要があります。

なお、ご自身で自己破産することで、家族に借金の支払い義務が及ぶのではないかとご心配される方もいらっしゃいますが、ご家族が連帯保証人になっているなどの事情がない限りは、ご家族に借金の支払い義務が及ぶことはありませんのでご安心ください。

ご家族と同居されているか、別居されているかによって異なりますが、できれば、ご家族に事前にお話されることをお勧めいたします。

ご家族と別居されている場合は、特に自己破産の手続を行ったことがご家族にわかるということはないかと思います。

しかし、ご家族と同居されている場合は、内緒で自己破産の手続きを進めていくのは難しいかと思います。なぜなら、自己破産の手続きにおいては、２か月分の家計簿が必要となり、また家計全体の収入状況を見るため同居の配偶者の給与明細書を求められることや、その他ご家族に関する書類を提出しないといけない場合があるからです。もしこれらの書類を集めるのにご家族の協力が必要という場合は、ご家族に秘密で手続きを進めていくことは難しいでしょう。

さまざまな事情があるかと思いますので、必ずこうするべきとは申し上げれませんが、ご家族につつみかくさずご事情をお話しされることで、精神的なご負担も小さくなるのではないでしょうか。

引落口座の残高を０円にしておく必要があります。

司法書士に自己破産の手続きを依頼し、受任通知が業者のもとに送られると、業者からの取立てや支払いは止まります。ただし、業者への支払いが銀行から自動引き落としになっている場合は、受任通知を送ったあとでも、引き落としはとまりません。

そのため、対応策として、引落口座の残高を０円にしていただくよう、依頼者の方にはお願いしています。

残高ゼロであれば、自動引き落としがかかったとしても残高不足となり、事実上支払いしない結果となります。

ただ、ご注意いただきたいのが、引落口座に給料や年金といった定期的な収入が振り込まれる場合です。この場合、残高を一時的にゼロにしても、給料等が振り込まれる度に、先に業者に引き落としされる危険性があります。

給与や年金は、依頼者の方の生活の糧ですので、受任通知を発送する前に勤務先に給与振込口座を変更依頼をしてもらうよう、当事務所ではご案内させていただいています。

悪意で加えた不法行為、故意または重過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に関する損害賠償債務は免責されません。

自己破産をして免責決定が確定すると、いま抱えていらっしゃる借金は全額免除されます。ただし、一定の事項については破産法上、非免責債権として定められています。

損害賠償については、悪意（＝積極的に相手を傷つけようとして行った場合）で加えた不法行為、故意または重過失（わざと、あるいはかなり重い過失によって）により加えた人の生命または身体を害する不法行為により発生した損害賠償債務については、自己破産をしても免責されることはありません。

免除されません。

罰金については、自己破産の手続をしても免除されません。

自己破産をしても免責されません。

自己破産の申し立てを行い、無事に免責決定が下されたとしても、滞納している税金については免除されません。つまり、自己破産をして借金が０になったあとも支払う義務があるということです。

自己破産を申し立てる際には、滞納している税金等をまとめて記載する用紙があり、その用紙に現在の滞納額、今後の返済額などを記入する必要があります。

具体的には、次のように記載します。

固定資産税　平成23年度分　80,000円
固定資産税　平成24年度分　120,000円
⇒現在、毎月1万円ずつの分割で支払い中

自己破産の相談をお受けする際に、「税金の滞納はありませんか？」とお伺いするのですが、何年も滞納したままで役所から督促状が頻繁に届いている…とおっしゃられる方もおられます。

税金については、すでにご説明したとおり、自己破産をして免責決定が出たとしても、支払い義務は残りますので、滞納額が少ないうちに、お住まいの地域を管轄する市区町村の役所にて今後の支払い方法についてご相談されることをお勧めいたします。

また税金と同じように、国民年金保険料や国民健康保険料についても、自己破産によって免責されることはありませんのでご注意ください。

すべての債権者を裁判所に申告する必要があります。

連帯保証人がついている業者がある場合、連帯保証人に迷惑をかけたくないという理由で、自己破産の手続きから除外したいとご要望をお伺いすることがあります。

しかし残念ながら、一部の債権者を除外することはできません。

自己破産は、裁判所を介する公権的な借金整理方法です。そこには債権者平等の原則というルールが働き、すべての債権者を裁判所に申告しなくてはなりません。

もし、一部の債権者を除外して、自己破産の申立てを行って場合は、免責不許可事由に該当し、自己破産の免責が許可されない恐れがあります。

連帯保証人がついている借入れがある場合、ご自身が自己破産を行うことによって連帯保証人に請求が及ぶこととなりますので、連帯保証人の方に事前にその旨をご説明される必要があるでしょう。

約３ヶ月～半年程度とお考えください。

自己破産の申立てをどこの裁判所に行うか、または、自己破産の申立てを行う方の事情によって、申立てをしてから免責決定が出るまでの時間は異なります。

当事務所がある大阪市を管轄する大阪地裁の場合は、申立てをしてから３か月程度で免責決定が下されることが多いです。

ただ、自己破産される方が、高額の財産を持っていらっしゃったり、免責不許可事由に該当する可能性がある場合で、裁判所で管財事件として取り扱われることになると、通常の自己破産の手続きよりも免責決定までにかかる時間が長くなる可能性があります。

なお、自己破産の手続き中、業者への支払いはどうなるのか？と不安に感じられるかもしれませんが、司法書士に依頼して受任通知を債権者に発送した時点で業者への支払いはストップし、自己破産の手続き中ももちろん業者への支払いを行う必要はありません。

２度目の自己破産はかなり難しいとお考えください。

自己破産の申立てをして免責が許可されてから、７年以内に再度、自己破産の申立てを行うことは免責不許可事由に該当するため、免責が許可されない可能性があります。

自己破産の免責決定が下りたあと、また多重債務に陥ってしまったのには、おそらく相当なご事情がおありだと思いますが、２度目の自己破産の手続きでは、免責決定を出すかどうかについて、裁判所がかなり厳しくチェックするとお考えいただくほうがよいでしょう。

ただし免責不許可事由に該当するからといって、絶対に免責を許可してはいけないという規定にはなっていませんし、裁判官が自己破産を申し立てた方のご事情を総合的に判断した上で免責が許可されることもあります。

銀行で新たに口座を作る（通帳を作る）ことはできます。

会社からの給与振込や、児童手当、公的年金などの振込に通帳が必要なのに、自己破産をしたらどうなってしまうだろう…と不安に感じられる方がいらっしゃるかもしれませんが、その点についてはご心配はいりません。

自己破産の手続きをする前から開設されている銀行口座を利用し続けることも可能です。

ただ、銀行口座のなかには、通帳のキャッシュカードにクレジットカード機能がついた商品があります。そのような場合、銀行口座を開設することに問題はなくても、クレジットカードを新たに作成するのと同じで審査が行われます。

個人信用情報機関の事故情報（自己破産を行ったという情報）が確認されて、金融機関による審査に通らない可能性が高いでしょう。そのような場合は、クレジットカード機能がついていないキャッシュカードを発行してもらうとよいかと思います。

一定期間は難しいでしょう。

自己破産をした場合、個人信用情報機関（ブラックリスト）に事故情報として登録される可能性があります。業者がお金を貸すときは、個人情報機関にその人の情報が掲載されていないかをチェックし、情報が掲載されている場合は融資を見合わせることになります。個人信用情報機関に登録されるのは、自己破産の手続き開始決定から数年間くらいといわれています。しかし、個人信用情報機関の登録が抹消されたからといって、また借金に頼る生活に戻るのではなく、収入と支出のバランスをしっかりと管理して、借金をせずに生活を営んでいくことが健全だと思います。

自己破産をしたからといって会社を辞める必要はありません。

自己破産をしたら、今までどおり仕事を続けられないのでは？と不安に感じられる方もいますが、実際はほとんどのケースで仕事を続けていただくことが可能です。

では、仕事を続けるのに支障が出る可能性がある例外を見ていきましょう。

まず、会社や会社に関連する組合等の融資制度などを利用されているという場合です。このような融資制度を利用されていて、自己破産の申し立てを行う際にまだ債務が残っている場合、会社等に自己破産の手続きを行うことが判明してしまいます。

なぜなら、自己破産の手続きでは、すべての借入れを裁判所に申告する必要があり、それが勤めている会社や会社に関連する組合等であったとしても、除外することが認められないからです。

次は、資格制限に該当する職業の場合です。自己破産の申し立てをしてから免責が下りるまでの一定の期間、一部の職業については制限がかかります。つまり、その間仕事ができないということです。

会社に事情を説明して、資格制限を受ける一定期間の間だけほかの業務を担当させてもらうといったことが可能であればまた話は別でしょうが、一定期間仕事が行えないという点が、今後の勤務上問題となる可能性は否定できません。

自己破産をしても、年金をもらうことはできます。

いま、老齢年金等を受給されていて、自己破産をすることで年金がもらえなくなるのでは？とご不安に感じていらっしゃる方も多いと思いますが、その点についてはご安心ください。

自己破産は、借金を免除して、新たに生活を再スタートさせるための制度であり、年金の支給を停止するなどペナルティを与えるための制度ではありません。

なお、自己破産を申し立てる際に、添付書類のひとつとして、年金の受給証明書のコピーを裁判所に提出する必要があります。日本年金機構から届いたハガキや通知書で年金の支給額がわかるものがありましたら、お手元にご用意いただければと思います。

 自己破産をした後に得た財産は自由に使うことができます。

自己破産をしたら将来財産を持つことができないのでは？と負担に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、自己破産の開始決定がでた後に新たに得た財産については債権者に分配する必要はなく、ご自身で自由に使うことができます。

たとえば、会社から支給された給与やボーナスについては自由に使うことができますし、高額の財産を相続することも可能です。

ただその反面、自己破産を行うことで、いわゆるブラックリスト（個人信用情報機関の事故情報）に登録され、今後数年間は借入れやクレジットカードでの買い物ができなくなります。そのため、ご自身の収入だけで生活を営んでいく必要があります。

自己破産をされる場合は、もう二度と借金で悩まないためにも、しっかりと家計管理をされることをお勧めいたします。

給料や財産を差し押さえられるリスクがあります。

業者から借金をする際に、印鑑証明書を交付しており、公正証書作成の委任状にも実印でハンコを押している場合は、公正証書を作成されている場合があります。印鑑証明書・委任状、この二つがあれば公正証書を作成することができます。

公正証書とは、業者が訴訟を起こさなくてもいきなり給料差し押さえ等の強制執行が出来る非常に強い力をもつものです。ただ、自己破産の申立てを行い、破産開始決定がおりると、業者は給料差し押さえ等の強制執行をすることができません。

ですので、公正証書を作成している場合は、自己破産の申立て手続を早急に行う必要があります。業者からお金を借りる際に印鑑証明書を渡した記憶のある方は、弁護士や司法書士に相談されるときにその旨を必ず伝えるようにしましょう。

ギャンブルの度合いにもよりますが、自己破産の免責が許可されない恐れがあります。

自己破産の要件や手続きについて定めた破産法では、ギャンブルが原因で借金ができた場合、その借金を免除すべきかどうかについて裁判官が裁量で定めることができる、としています。

つまり、裁判官が「これは免責すべきじゃないな…」と判断すれば、免責不許可になる（＝借金が免除されない）可能性があるということです。

しかし、ギャンブルが原因の借金といっても、人によって、使った金額や抱えているご事情が異なります。

そのため、競馬やパチンコといったギャンブルをしているからといって、自己破産はできない、と言い切れるわけではないのです。

当事務所では、どの程度の金額をギャンブルに使われたのかなど、詳しいご事情をお伺いしたうえで、自己破産の手続きで進めていけるかどうかアドバイスさせていただきます。

支払いできない可能性がある場合は、新たな借入れをしないようにしてください。

どうせ自己破産をするなら、借りれるだけ借りてからにしようとお考えになる方もいるかもしれませんが、すでに多重債務の状態になっている場合は新たな借入れは控えていただくべきでしょう。

返済できる見込みがないにも関わらず借入れを行うことが後日問題となる可能性もありますのでご注意ください。

なお、自己破産を依頼するための費用を借入れするということも控えるようにしてください。当事務所では、司法書士にご依頼いただき、各債権者への支払いがストップしてから分割で無理なく費用をお支払いいただくことができますので、ご依頼時にまとまった費用をご用意いただく必要はありません。

引越しをすることは自由です。

自己破産の手続き中に引っ越しを行う場合、新しい住所を裁判所に届け出る必要があります。

なお、お仕事上の転勤や、マイホームを手放すことになったことによる転居などでしたら問題ありませんが、特に必要がない引越しや現在お住まいのところよりも家賃や上がる物件への引っ越しなどは家計の点から見て、控えていただいたほうがよいかと思います。

なお、個人の方の自己破産手続きではまれですが、裁判所によって管財人が選任された場合は、引越しや長期の旅行を行う場合は裁判所の許可を得る必要があります。